賃貸集合給湯省エネ2025事業とは
賃貸集合給湯省エネ2025事業は、経済産業省が実施する賃貸集合住宅向けの省エネ型給湯器導入を支援する補助金制度です。正式名称は「既存賃貸集合住宅用小型省エネルギー型給湯器導入促進事業費補助金」といい、令和6年度補正予算として50億円が計上されています。
賃貸集合住宅では、給湯器の交換がオーナー負担となることが多く、省エネ型給湯器への更新が進みにくい状況がありました。本事業は、そうした賃貸集合住宅における小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ・エコフィール)の導入を促進し、2030年度におけるエネルギー需給の見通し達成に貢献することを目的としています。
補助対象と補助額
補助対象
対象となる既存賃貸集合住宅の住戸において、従来型給湯器を補助対象である小型の省エネ型給湯器(エコジョーズまたはエコフィール)に交換する事業が対象です。リースによる導入も含まれます。
補助対象者
| 補助対象者 | 内容 |
|---|---|
| 賃貸集合住宅のオーナー等 | 給湯器の交換工事の発注者(リース利用を含む) |
対象となる既存賃貸集合住宅とは
賃貸住戸とは、「人の居住の用に供するために賃貸借契約を締結し、貸し出される住宅」を指します。
対象となる既存賃貸集合住宅は以下の条件を満たす必要があります:
- 1棟に2住戸以上の賃貸住戸を有する集合住宅
- 建築から1年以上経過している、または過去に人が居住した住宅
補助上限
いずれかの機器を1住戸につき1台までが補助対象となります。
対象機器と補助額
補助額は「①基本額」と「②加算額」の合計となります。
①基本額
導入する小型の省エネ型給湯器に応じて、以下の定額が補助されます。
| 給湯器の種類 | 追い焚き機能 | 補助額(基本額) |
|---|---|---|
| エコジョーズ/エコフィール | なし | 5万円/台 |
| あり | 7万円/台 |
②加算額
ドレン排水処理のための追加工事を行う場合、以下の加算を受けることができます。
| 追い焚き機能 | 加算対象工事 | 加算額 |
|---|---|---|
| なし | 共用廊下を横断するドレン排水ガイド敷設工事 | 3万円/台 |
| あり | 浴室へのドレン水排水工事(三方弁工事、三本管工事等) | 3万円/台 |
補助額の計算例
例1:追い焚き機能なしのエコジョーズ + ドレン排水ガイド敷設
- 基本額:5万円
- 加算額:3万円
- 合計:8万円/台
例2:追い焚き機能ありのエコジョーズ + 浴室へのドレン排水工事
- 基本額:7万円
- 加算額:3万円
- 合計:10万円/台
対象機器の詳細
エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)
エコジョーズは、従来型のガス給湯器では捨てていた排気熱を回収して再利用する高効率給湯器です。熱効率が約95%と高く、従来型(約80%)と比較してガス使用量を約13%削減できます。
性能要件:モード熱効率が91.0%以上
エコフィール(潜熱回収型石油給湯器)
エコフィールは、灯油を燃料とする高効率給湯器で、エコジョーズと同様に排気熱を回収して再利用します。灯油使用量を約10%削減できます。
性能要件:モード熱効率が91.0%以上
ドレン排水について
エコジョーズやエコフィールは、排気熱を回収する際にドレン水(凝縮水)が発生します。このドレン水は弱酸性のため、適切に処理する必要があります。
ドレン排水の処理方法
- 追い焚き機能なしの場合:共用廊下を横断するドレン排水ガイドの敷設
- 追い焚き機能ありの場合:浴室への排水(三方弁工事、三本管工事など)
注意:各地方公共団体等によってドレン排水の取扱いが異なります。工事前に必ず地域のルールを確認してください。
申請の流れ
本事業の補助金は、「賃貸集合給湯省エネ事業者」として登録された事業者が、交付申請等の手続きを行います。
| 申請区分 | 契約形態 | 登録事業者 |
|---|---|---|
| リフォーム工事 | 工事請負契約 | 施工業者・管理会社等 |
| リース利用 | リース契約 | リース事業者 |
申請手順
- 事業者選び:賃貸集合給湯省エネ事業者として登録された業者を選ぶ
- 見積もり・契約:工事内容と補助金額を確認し、契約を締結
- 工事実施:2024年11月22日以降に着工した工事が対象
- 写真撮影:工事前後の写真、加算を受ける場合は追加工事の写真を撮影
- 交付申請:事業者が申請手続きを代行
- 補助金還元:契約代金への充当または現金での還元
対象期間
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 契約期間 | 着工日以前 |
| 着工期間 | 2024年11月22日以降 |
| 交付申請期間 | 予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
注意点・よくある落とし穴
対象外となるケース
- 分譲マンションの給湯器交換(賃貸住戸のみが対象)
- 戸建住宅の給湯器交換(集合住宅のみが対象)
- 新築住宅への給湯器設置(既存住宅のみが対象)
- 給湯省エネ2025事業の対象機器(エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム)への交換
写真撮影を忘れずに
交付申請には、以下の写真が必要です。
- 工事前・工事後の写真
- 加算を受ける場合は排水管や排水ユニット等の写真
- 浴室へのドレン排水工事の場合は浴槽のエプロン内の写真が必要な場合もあり
200戸以上所有のオーナーは自ら申請可能
国内に所有または管理する既存賃貸集合住宅の住戸数が200戸以上である事業者は、事務局への申請により、補助事業者として自ら手続きを行うことができます。
給湯省エネ事業との違い
| 項目 | 賃貸集合給湯省エネ2025事業 | 給湯省エネ2025事業 |
|---|---|---|
| 対象住宅 | 既存賃貸集合住宅のみ | 戸建・集合住宅(新築・既存) |
| 対象機器 | エコジョーズ、エコフィール | エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム |
| 補助額 | 5〜10万円/台 | 6〜20万円/台 |
| 予算規模 | 50億円 | 580億円 |
まとめ
賃貸集合給湯省エネ2025事業は、賃貸集合住宅のオーナー様にとって、給湯器の更新費用を軽減できる貴重な制度です。追い焚き機能付きの機器とドレン排水工事を組み合わせれば、最大10万円の補助を受けることができます。
賃貸物件の給湯器が古くなってきた場合は、この機会に省エネ型給湯器への交換を検討されてはいかがでしょうか。入居者にとっても光熱費の削減につながり、物件の魅力向上にも貢献します。
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